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みんなみすべくきたすべく

たくさんもらって、とってもおとくだったね

      こいぬj
(承前) 「こいぬとこねこのおかしな話」 (ヨゼフ・チャペック 木村有子訳 岩波少年文庫)➡➡ には、10の話が入っていて・・・といっても、1929年に出版されたこの本、1953年から1996年までは一つの話が削除され9つのおはなし集でした。削除されていたのは、「こいぬとこねこが十月二十八日をおいわいした話」です。10月28日は、第一次界大戦後、オーストリア=ハンガリー帝国からチェコスロヴァキア共和国として独立した記念すべき10月28日にまつわる話で、こいぬとこねこが、お祝いの旗を飾りたくて奔走する話なのです。
 
 ナチスに対して、弟カレル・チャペックとともに抵抗したものの、弟の病死のあと、1939年ゲシュタポに連行され、強制収容所を転々とし、1945年解放を目前にして、収容所でチフスに罹り死亡とされるものの、確かなことはわかっていないようです。(*参考:訳者あとがき)
 というヨゼフ・チャペックなのですが、娘アレンカに向けて書かれたという「こいぬとこねこのおかしな話」。仲の良いこいぬとこねこは、仲の良かったヨゼフとカレルなのだと思います。

 さて、「こいぬとこねこが十月二十八日をおいわいした話」は、ちょっと、大阪のおばちゃん魂が感じられる箇所があります。
 お祝いに旗が要る。が、持ってない。そうしたら、手に入れよう。それには、あそこで、赤ちゃん用に配ってるのがある。じゃあ、赤ちゃんのふりをして、もらってこよう。一つじゃ足りないから、今度は・・・ 
 一日中繰り返し、小さな旗だけでなく、風船もおまけにもらってくる始末。「ただで旗と風船をたくさんもらって、とってもおとくだったね」

 こんなにたくさん旗をもらってきたのには、こねことこいぬのこんな会話がありました。
≪「みんなが幸せで、にこにこしているのって、いいわあ。楽しそうな人を見ると、わたしも元気にあそびたくなっちゃうもの。」「ぼくもおんなじだよ。きげんがいい人は、見ていてわかるからね。きげんが悪い人からは、百歩ぐらい、はなれておいたほうがいいと思う。楽しそうで、まんぞくしている人は、ほかの人にも、動物にもやさしんだ。」「十月二十八日には、みんながやさしく楽しそうになるんだったら、わたしたちもたくさん旗を出して、おいわいをもりあげなきゃね。旗は二つでも三つでも、たくさんあればあるほどいいわ。」≫(続く)

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