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海北友松展

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 大体、テレビの展覧会案内番組で紹介されたら、混雑するのはわかっていて、ちゃんと賢い人は、それ以前に、この「海北友松展」(京都国立博物館:平成知新館)を鑑賞なさっていました。しかも、会期終盤は混雑することも知っていても、数々の諸般の事情から、結局、カ・リ・リ・ロが足を運べたのは最終日でした。

 確かに、入場するには行列ができ、初めの展示物は、見えない状態でしたが、展覧会の常で、中盤からは、人が減っていき、ゆっくり見ることができました。

 街に張り出されていた雲龍図の一部は、建仁寺のもの。建仁寺で、見たことあるしなぁ・・・などと思っているうちに、多忙を言い訳に行きそびれていたのでした。
 建仁寺のものは、複製の襖絵で、しかも廊下からしか見られないので、今回、表具されて展示された雲龍図の迫力は楽しいものでした。
 お茶目な龍とかねがね思っていましたが、「野馬図屏風」のひょうきんな馬も、「放牛図屏風」のほのぼのとした牛も、どこか優しいユーモアが。寒山拾得などの人物も、どこか茶目っ気があって、およそ、桃山時代の人の画とは思えない。
 それら息をする物を描いたものに比べ、風景図屏風のいくつかは、いたみもあるし、伸びやかさにも欠けるような気がしました。

 が!最後の「月下渓流図屏風」(6曲一双)!!!
 これだけでも、見に行ったかいがありました。素晴らしい!!!
 照明を落とした展示室のこの作品、月の薄明りの下、ほんのり、はんなり、光と影。水の音。梅に椿、そして、松、みんな朝靄の中。小さな土筆が、かわいい。
 山水画でもなく、水墨画でもなく、金碧屏風でもなく、静寂を表現できる柔軟な筆の持ち主、海北友松。
 後世、江戸の絵師たちの作品の中に、この人の影響を見るのも当たり前のことかもしれません。

 それにしても、この美しい屏風、どうやって、米国カンザスのネルキン・アトキンズ美術館に渡っていったんだろう?西洋人好みの色合いや迫力とは縁遠いような気がするけど、目利きはいるんですね。手放した日本人は、今頃、気が付く。ほかにも、いろいろあるなぁ。

海北j

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