FC2ブログ
 

みんなみすべくきたすべく

鶴紋

クレイン5j
(承前)
 滋賀県立近代美術館「絵本はここから始まったー ウォルター・クレインの本の仕事」展(~2016年3月26日)の最後に近いコーナーには、クレインの本の絵の中に登場するジャポネスクをまとめていました。北斎漫画や四代歌川豊国(二代国貞)の浮世なども用意され、クレインが日本の絵から影響を受けたことを示していました。

 図録解説によると、≪若い時に浮世絵版画を手に入れたクレインは、当初、その手法を自作に取り入れる先進性を見せた。その後影響は弱まるものの、掛け軸や団扇など日本的な事物を挿絵のデザインに生かそうとした。≫「ウォルター・クレインと日本美術」

 上の写真の見開きページの左の丸い紋様は、日本の三羽雀紋だし、上の鶴紋は、クレイン(Crain)=鶴だし、「古いお友だちのアルファベット」の表紙の長四角のなかに描かれているのは掛け軸に描かれた鶴=クレインとも考えられるようです。また、クレインのサインにあたる部分は、鶴の描かれた落款に見えます。
 
  ウォルター・クレインとエヴァンズが組んだ絵本、そして挿絵、モリスやラファエル前派との関わりや社会主義、果ては、クレインとジャポニズム。ウォルター・クレインの本作りを知るには価値ある美術展でした。欲を言えば、本作り以外のファインアートやアーツ&クラフトの推進者としての姿の全体像も、いつか見たいものだと思いました。

PageTop