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みんなみすべくきたすべく

色だけに目を奪われないように

クレイン2j
(承前)
 滋賀県立近代美術館「絵本はここから始まったー ウォルター・クレインの本の仕事」展(~2016年3月26日)のクレインとエヴァンズが組んだ仕事は、当時としては、目を引く美しい色合いでした。そして、それらが、安価で、子どもたちの手に渡ることは画期的なこと。
 そしてまた、二人の絵本製作に対する情熱が、後に続く絵本画家たちを生んでいったのかと思うと、色だけに目を奪われずに、その絵の隅々にも目が向きます。

 例えば、上の写真右の「コール王様」が満足気にバイオリン演奏を楽しんでいます。3人の演奏家たちの揃いの服の模様は、4つ足の小動物のようにも見えますが、足のはえたヴァイオリン模様。タクトを振るのは、王様の椅子の背のオウムさん。(「幼子のオペラ」)
 また、同じく写真左の王様の衣装には、鳥の模様が描かれていますが、実は、その模様の前には、ウサギを献上する長靴をはいた黒猫。(「長ぐつをはいた猫」)
 さらに、写真上は、バンベリークロスに行くご婦人に追いつこうと、おうまさん(コックホース)に乗った男の子が鞭をふるっています。(これは、マザーグースの「木馬に乗ってバンベリークロスへ」の絵。)「古いお友だちのアルファベット」)

 こういった本の仕事の端々に表れるユーモアは、今回の展示でも、クレインが家族に向けて書いた自筆のものなどを見てると、伝わってきます。
 
 また、下の写真は「シェイクスピアの花園」(シェイクスピアの劇より・マール社)のカーネーションのページですが、小口木版とは違う形---石版画で美しい絵本を作ったスイスのクライドルフ➡➡にもつながっていくのがわかります。クライドルフは、エドマンド・エヴァンズのような彫版師がいなくても、作品が作れたのです。
*ウォルター・クレイン(1845~1915)*エルンスト・クライドルフ(1863-1956)(続く)
     クレイン4j

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