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ウォルター・クレインの本の仕事

     クレイン12j
 琵琶湖、瀬田にある滋賀県立近代美術館「絵本はここから始まったー ウォルター・クレインの本の仕事」展(~2016年3月26日)に行きました。
 ウォルター・クレイン(1845-1915)は、コールデコットと同時期の人で、ケート・グリーナウェィとも重なります。エドマンド・エヴァンズという彫版師と一緒に、彼らは、美しい絵本を生み出しました。展示の大半は、小口木版の世界で、ケート・グリーナウェィもコールデコットもいくつか展示されています。

 会場には、かなりたくさんのクレインの本の仕事が並んでいました。エヴァンズと組んだ3人のなかでは、一番長く仕事をしたことも作品の多さにつながっています。多くは華やかな色のついた絵本ですが、「フィオリモンド姫の首かざり」などの挿絵のように白黒のものもたくさんありました。その中には、シェイクスピアに挿絵をつけたものもあって、本自体を手に取ってみたいと思いました。
 
  コールデコットに比べ、動きが乏しく、また、書き込みすぎの印象が強いクレインとはいえ、その白黒の挿絵、あるいは、本全体の装丁など、彼の大量の仕事を見ていくと、画風を変えずに描き続けた彼の自負に気づきます。(続く)

*「フィオリモンド姫の首かざり」(ド・モーガン作 矢川澄子訳 ウォルター・クレイン挿絵/岩波少年文庫)
*「ビィクトリア朝妖精物語」(風間賢二編・ちくま文庫) ≪「さすらいのアラスモン」ド・モーガン作(安野玲訳)ウォルター・クレイン挿絵≫≪「王の娘の物語」モルズワース作(安野玲訳)ウォルター・クレイン挿絵≫

         クレイン12jj

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