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みんなみすべくきたすべく

さかさの世界

     さかさまj
(承前) ケストナーの「五月三十五日」 (高橋健二訳 岩波)は、かなり荒唐無稽の話。今読み返すと、ピーと音が入るくらいの様々な表現でも訳されています。それにまた、よく知らなかった(はずの)歴史的な人物も次々出てきて、子どもの頃読んだときは、理解できずに読み飛ばしたところも多そうです。

 さて、夏にここでも書いたスロボドキンの「さかさ町」と同じ町が、「五月三十五日」にもあります。ケストナーの「さかさ世界」は、スロボドキンのさかさ町より、シニカルで大人っぽいとはいえ、発想は同じです。

≪往来は非常ににぎやかでした。書類カバンをわきの下にかかえ、シルクハットをかぶった少年たちが見えました。モダンな服装をして散歩したり買い物したりしている少女たちが見えました。見えるのは子どもたちばかりでした!「ごめんよ!」とコンラートはいい、自動車に乗ろうとしている少年をぐっとつかまえました。「ねえ、君たちのところにはおとなはいないのかい?」「いるとも。」とその少年は答えました。「だが、おとなはまだ学校にいるよ。」そういって彼は自動車に乗り、コンラートにうなずきかけ、「ぼくはいそいで取引き所に行かねばならない。」とどなりました。・・・・≫

 唐突に、この本を持ち出したのも、岩波文庫のケストナー「人生処方詩集」(小松太郎訳)を読んだからです。(続く)
☆写真は、東京 新江戸川公園の池

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