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みんなみすべくきたすべく

プロヴァンスの少女

ツリーj
 (承前)
 今年最後になって、心に残る長編に出会いました。
 「プロヴァンスの少女-ミレイユ」(ミストラル作 杉冨士雄訳 岩波文庫)です。
 先日から、ゴッホのことで、アルル、プロヴァンスに近しくなったと思っていました。
 が、解説を読むまで、フランスでありながら、実は、プロヴァンスが、かって、フランス語とは異なる言語を使ってきたなどとよく知りませんでした。落ち着いて考えると、パリから離れた南フランスだし、イタリアに近いし、、ローマ軍が通ったし・・・スイスだって、イタリアに近い地方は、ロマンシュ語がいまだ、公用語として認められているし・・・

 閑話休題。
 この話は、若い二人の恋心を軸に、プロヴァンスの伝承や言い伝え、神話のようなものを折り込み、しかも、歌(詩)を挿入し抒情豊かに進行します。もしかしたら、全体が、歌のように綴られているといってもいいかもしれません。章立てとならず、第一の歌とか、第二の歌というように、構成されていますから。

 よくある、貧しい若者とお嬢さんの恋ですが、はたまた、よくある結末でもありますが、読む者のページを繰るスピードは落ちません。 わかりやすい表現は、さながら、昔話の伝承に近いものがあります。また、美しい表現は、イメージを膨らませる手立てとなり、プロヴァンスが身近に感じられるのです。

 そんなプロヴァンス地方の言語や文化を継承する流れで、この本が生まれ、この本を生み出したミストラルは、ノーベル文学賞を受賞しています。

  さて、そんな物語の中の挿話にも、「神の道化師」や「ちいさな曲芸師バーナビー」のような奇跡が挿話されていました。(続く)

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