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心は孤独な数学者

キングスカレッジj
 (承前)
「心は孤独な数学者」(藤原正彦 新潮文庫)には、3人の天才をたどる文が載っています。ニュートン、ハミルトン、そして、映画になったラマヌジャンです。しかしながら、ラマヌジャンだけに割かれたページはその本の3分の2くらいにもなっています。

 ラマヌジャンの天才ぶりは、数学嫌いのカ・リ・リ・ロには、ほぉ、そうなのですね・・・という感想しか持てませんが、彼が、英国のみならず、母国でも、苦労した話なら、読み取れました。

 英国での差別や苦労は、ある程度予測のできるものでしたが、バラモンに生まれたラマヌジャンが、母国インドでも、なかなか日の目を見ない暮らしをし続けていたことは、映画では描き切れていませんでした。

 ヒンドゥー教の階級制度については、教科書やその他の知識で分かっているつもりでおりました。
 が、しかし、藤原正彦が踏み込んでいく、ラマヌジャンの暮らす世界は、知っているつもりの世界とはかけ離れたものでした。
 
 つまり、理屈や理論ではなく、そこに生きる人々がいる事実が、本には、事細かく描かれているのです。藤原正彦が訪れたのは、ラマヌジャン(1887-1920)の時代から、時間が経ったにしても、あるいは、現在は、その時よりさらに時間が経ったにしても、たぶん、ほとんど変わっていないそのヒンドゥー教の世界と、インドの地方での暮らし。
 そこに生まれた天才ラマヌジャン。
 どこにも、天才はいるものですね・・・と思うより、そのヒンドゥー教の強烈さに圧倒された読後でした。(続く)
☆写真は、英国 ケンブリッジ キングスカレッジ チャーチ

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