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40年前の演説

       ヴェンゲンナップj
(承前)
  岩波「図書」(2016年8月号)に掲載されていた三瓶恵子「ピッピの国の児童文学に広がる『暴力』」によると、彼女は、毎年「本の品評会」のセミナーに参加し、最近のスウェーデン児童文学の傾向を見てきたといいます。そこで、ここ数年の傾向として、いじめや自殺未遂など暗いテーマを取扱うものが多く、年々ますます、その傾向が強まり、児童書研究所の分析によると、2015年の特徴は「暴力」だとしています。

 また暴力シーンを描いた本は若者向け(13歳以上)に多かったものが、低学年向きのものにも拡大し、社会における格差や、移民・難民・戦争・子どもに注意を払わない親などをテーマにした本も多いと、しています。
 「ピッピの国」というイメージ「やかまし村」のイメージから、ずいぶんと離れているのがわかります。が、リンドグレーンも「川のほとりのおもしろ荘」や「はるかな国のきょうだい」などで、徐々に、暴力の問題や子どもたちに関わる問題も取り上げています。

 それで、三瓶恵子は、リンドグレーンの「暴力は絶対だめ! 」の演説を引用して、スウェーデンでは、子どもへの体罰が世界で初めて法律で禁止されたのが40年前だったとしています。

≪現時点で戦争が起っていなくても、世界には理解できないほど残忍なことや暴力、圧制があふれていて、子どもたちは、そのことについて間違いなく無知ではいられないのです。子どもたちは、日常的に見たり、聞いたり、読んだりして、ついに暴力は、当たり前に起るのだと思うことでしょう。ですから、物事を解決するには暴力以外の別の方法があることを、わたくしたちはまず自分の家庭で、お手本として示さなくてはならないのです。≫

  うーん、この40年も前の演説が、今も新鮮な現実。困ったものです。

 ・・・・と思っていたら、新聞に(2016年8月4日夕刊)、児童虐待が10万件を超え、特に子どもの前で配偶者に暴力を加えたり大声で怒鳴ったりする「面前DV(ドメスティックバイオレンス)」による心理的虐待の通報が目立つとありました。
 やっぱり、暴力は絶対だめ!

「暴力は絶対だめ!」 (アストリッド・リンドグレーン 石井登志子訳 岩波)
☆写真は、スイス ヴェンゲンナップ

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