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みんなみすべくきたすべく

贅沢で、幸福な文学形式

        ロープウェイj
(承前) 
 さて、「日本近代随筆選 第三巻 思い出の扉」(岩波文庫)の解説(長谷川郁夫)に、もう少しだけ触れて、延々と続いたこの随筆選の読書感想文の終わりにします。

長谷川郁夫は言います。
≪随筆に記されるのは、いつの場合もこころの真実である。しかし、思い出には記憶違いもあれば、誇張もある。リアリティ尊重の窮極のかたちが随筆だろうと理解しても、それが「作品」となる以上、そこには読ませる技術、読者を喜ばせる技術が必要とされる。笑わせるための芸もいる。作者はそれぞれに工夫を凝らすのである。ときにはフィクショナルな要素が、あるときは多分に加味される。≫

―――なるほどぉ!短い紙面で、勉強になります。そして、このあと、引用するには長々となってしまう、含蓄のある文が続くのですが、その最後の一行にこの言葉がありました。
≪思えば、随筆とはなんとも贅沢で、幸福な文学形式なのである。≫

 「日本近代随筆選 1出会いの時」(千葉俊二・長谷川郁夫・宗像和重編 岩波文庫)
 「日本近代随筆選 2大地の歌」(千葉俊二・長谷川郁夫・宗像和重編 岩波文庫)
 「日本近代随筆選 3 思い出の扉」(千葉俊二・長谷川郁夫・宗像和重編 岩波文庫)
☆写真は、スイス ニーダーホルンに上るロ-プウェー、背後の山はニーセン山

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