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みんなみすべくきたすべく

城の崎にて

       松ぼっくりj
(承前)
 「日本近代随筆選 3 思い出の扉」には、猫にまつわる随筆もいくつか入っていて、猫好きの人の共感を呼ぶだろうと思います。また、酒にまつわる随筆もありますから、酒好きの人には興味深いことだろうと思います。

 つまり、随筆に、リズムと身近な話題で、近づく者としては、猫や犬より花や木、酒より甘いものという文に惹かれました。

 そんな中、志賀直哉の「城の崎にて」が載っていたのは、懐かしい思いで読みました。
 城崎に行ったことがある・・・という理由でもなく、蠑螈(いもり)の話でもなく、単に、高校の教科書に出ていたから・・・という理由でした。
 
 当時は、蜂・鼠・蠑螈と続く、小動物たちに気持ちが行き、およそ教科書解説のような読解しかできていなかったと思います。
 
 ところが、年経た今読むと、≪死ななかった自分には仕なければならぬ仕事があるものだ。≫という箇所が、大きな活字で目に飛び込んできたかのようでした。
 「仕なければならない仕事」があるから、生きているのだとしたら、その仕事は何なんだろう?城崎の町のことも、小動物のことも忘れて、思い巡らせる読後でした。(続く)

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