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みんなみすべくきたすべく

他の美人画とどこか違う

ふじのはなj
勝川春章と肉筆美人画展」から続き
(承前)
 出光美術館の「勝川春章と肉筆美人画展」の最後には、喜多川歌麿と葛飾北斎が並んでいました。歌麿の描く美人画は、春章のそれに似ていますが、春章門下だった北斎(勝川春朗)は、ずいぶん、自分の個性が強く出ています。(歌麿と北斎の関係について小説「北斎と応為」に面白い記述があるのですが、それについては、また今度)

 北斎のは、以前にも見た「月下歩行美人図」です。揺れる藤の花の着物をまとい、歩く美人。お顔だけが真っ白で、他は地味に控えめに。月の光も控えめに、お顔だけが際立って。
 北斎は、他の美人画とちょっと違う。他のは、みんな色鮮やかな綺麗なおべべ。それに、楚々と立ち、楚々と座る。 北斎の描いた着物が綺麗でないわけではなく、色鮮やかにしないことによって、月の光に照らされた美人を照らし出しているのです。しかも、こっぽりの音も聞こえそうなくらいな歩幅の歩き方。「わしゃ、急いでおりんす」という声も聞こえそう。
 ただ、静かに鑑賞されんがための美人画と、鑑賞する人を試しているような美人画。後者は、観ていて楽しい。

 ちなみにこの前行った、京都細見美術館に展示していた北斎の有名な春画も他と違う視点で描いていて、ふーむ、ふむ、ふむと観てきたのでした。

 さて、綺麗な勝川春章の肉筆画でしたが、やっぱり、北斎よねぇ・・・と思って、太田記念美術館の「勝川春章ー北斎の系譜」に行きました。(続く)
*「北斎と応為」(キャサリン・ゴヴィエ著 モーゲンスタン陽子訳 彩流社)

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