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ロベルトのてがみ

ロベルトj
 「ロベルトのてがみ」 (マリー・ホール・エッツ こみやゆう訳 好学社)

 「ロベルトのてがみ」は、 「もりのなか」や「ペニーさん」シリーズなどのマリー・ホール・エッツの絵本です。
 エッツの絵本は、今の日本の出版状況からいうと、地味な絵本です。
 でもね。
 どの絵本も、しみじみと心に響きます。何度も、どこかにエッツの絵本のことを書いたことがありますが、この「ロベルトのてがみ」は初見でした。

 エッツは、絵本作家になる前は、セツルメント活動(貧困地区住民の生活全般を援助する社会事業)をしていて、たくさんの子どもたちと出会っています。その経験から、生まれた絵本もたくさんあり、この「ロベルトのてがみ」も、そうです。

 お話が少々長く、大人の事情も出てくるので、主人公のロベルトより大きな子どもたちに読んでほしい一冊です。

 メキシコからアメリカにやってきたロベルトの家族は6人です。お父さんもお母さんも英語が喋れず、スペイン語だけで暮らしています。学校へ通っているお兄ちゃんのマルコだけが英語を話すことができました。
 ロベルトは、やんちゃに毎日を暮らしていますが、ある日、お母さんが家を出て行って・・・
 大人が読むと、ちょっとウルウルくる結末ですが、それはタイトルの「ロベルトのてがみ」と上記写真中央に写る、拙い文字から推測できるでしょう。

 ともかくも、エッツの子どもを見る目が素晴らしい。
 子どものいたずらなんて、子どもの側からしたら、さほど悪気がないのに、結果、ルール違反ということがある現実を冷静に見ています。
 棒付きキャンデーのことも、赤ちゃんの耳たぶの糸のことも、目玉焼きのことも、猫がひっくり返したゴミばけつのことも、お母さんに渡した花のことも、小石のことも、牛乳のことも・・・・

 ともすれば、上から目線で、福祉を語る本や絵本の多い中、「ロベルトのてがみ」は、子どもの心に沿って話が進みます。(続く)

*「もりのなか」「またもりへ」(マリー・ホール・エッツ作 まさきるりこ訳 福音館)
*「ペニーさん」(マリー・ホール・エッツ 松岡享子訳 徳間書店)
*「ペニーさん動物家族」(マリー・ホール・エッツ 松岡享子訳 徳間書店)
*「ペニーさんのサーカス」(マリー・ホール・エッツ 松岡享子訳 徳間書店)

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