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みんなみすべくきたすべく

砂狐

    リージェントパーク赤j
☆写真は、ロンドン リージェントパーク薔薇
≪「こんにちは」と王子さまがいいました。そこは、バラの花の咲きそろっている庭でした。「こんにちは」と、バラの花たちがいいました。王子さまは、バラの花をながめました。花がみな、遠くに残してきた花に似ているのです。「あんたたち、だれ?」と、王子さまは、びっくりしてききました。「あたくしたち、バラの花ですわ」と、バラの花たちがいいました。「ああ、そうか・・・」そういった王子さまは、たいへんさびしい気もちになりました。考えると、遠くに残してきた花は、じぶんのような花は、世界のどこにもない、といったものでした。それだのに、どうでしょう。見ると、たった一つの庭に、そっくりそのままの花が、五千ほどもあるのです。≫(「星の王子さま」(サン=テグジュペリ 内藤濯訳 岩波)

(承前)
 「星の王子さま」のいろんなキーパソンの中でも、キツネがいう、「心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。かんじんなことは目に見えないんだよ。」という言葉。多感な中学生だった頃に、しっかり心に刻まれました。

  このキツネが、 人間の土地の「砂漠のまん中で」に出てきたときは、あ!これ、これ!と、嬉しくなりました。

≪・・・たぶんそれはフェネック、一名砂狐(すなぎつね)という、兎大の小肉食獣、大きな耳のあるあいつにちがいない。ぼくは好奇心を押えかねて、一匹の足跡についていく。足跡は、ぼくを導いて、狭い砂の川の方へ行く。そこでは足跡がすべてはっきり印させる。ぼくは、扇形の三本指からなっている、美しい跡に感心する。ぼくは、このわが友が、明け方静かに跳び歩きながら、石の上の露をしゃぶっている姿を想像する。・・・(中略)・・・・足跡が、ぼくを巣穴へ導く。奥にいるフェネックは、ぼくの足音に驚きながら、たぶんぼくの言葉を聞いているだろう。ぼくは彼に言う。(ぼくの小さい狐よ、ぼくは今度はさんざんだ、だが不思議なことには、こんなひどい目に遭ったことも、きみの生き方に、関心をもつ妨げにはならなかった・・・)≫(「人間の土地」 (サン=テグジュペリ 堀口大學訳 新潮文庫)

*「人間の土地」 (サン=テグジュペリ 堀口大學訳 新潮文庫)
*「夜間飛行」 (サン=テグジュペリ 堀口大學訳 新潮文庫)
*「星の王子さま」(サン=テグジュペリ 内藤濯訳 岩波)

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