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「夜間飛行」の愛読者

          やかんひこうj
(承前) 
 実は、サン=テグジュペリ「人間の土地」より先に「夜間飛行」を読んでいました。こちらは、フィクションで、当時の郵便機を舞台とし描いたものです。訳者は、どちらも堀口大學。また、表題の「夜間飛行」と処女作「南方郵便機」が載っています。

 「夜間飛行」の序文はアンドレ・ジッドです。
≪サン=テグジュペリは、この小説の中に取り上げた事柄は、何もかも知りつくして書いている。絶えず危険に遭遇してきている彼の体験が、彼の書いた小説に、模倣しがたい実録的な興味を与えている。僕らは今日まで、無数の戦争小説や架空の冒険を取り扱った小説を与えられてきたが、それらの作品にあっては、作者が時にその才能に弾力性のあることを立証するくらいが関の山で、これを読む真の冒険者や実戦家の笑いを買うのを禁じえなかった。文学的価値からいっても僕の大いに推賞するこの小説は、他方実録としての価値を持つ。かくて思いがけずも合せ備えることになったこの二つの特色が『夜間飛行』に、その例外的な重要性を付与しているのである。≫
 ・・・・と、賛辞を惜しみません。

  それで、もう一人、時代も国も、背景も異なる現代人が、この「夜間飛行」を推薦しています。文庫には彼の推薦がする帯が付いています。この人の作品を読んだことはありませんが、昨年度の芥川賞を取りました。「夜間飛行」を推薦するような人ならば、と思って、その受賞作品を予約したら、複本あるにもかかわらず、なんと400人近くが待っていました。ちなみに、この作家の子どもの本のお薦めの一冊は「いやいやえん」。ふふふ(続く)

*「人間の土地」 (サン=テグジュペリ 堀口大學訳 新潮文庫)
*「夜間飛行」 (サン=テグジュペリ 堀口大學訳 新潮文庫)
*「いやいやえん」(なかがわりえこ文 やまわきゆりこ絵 福音館)
☆写真は、新潮文庫「夜間飛行」「人間の土地」の表紙。(宮崎駿 絵)

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