FC2ブログ
 

みんなみすべくきたすべく

ぽつりぽつりと、花を咲かせているにすぎない事実

     下にニーセンj
(承前)
  「人間の土地」( サン=テグジュペリ 堀口大學訳 新潮文庫)の「飛行機」「飛行機と地球」という文を読んでいると、次々と、心に迫る言葉が続き、息が詰まりそうになります。

 ≪ぼくらの直線的な弾道のはるかな高さからぼくらは発見する。地表の大部分が、岩石の、砂漠の、塩の集積であって、そこにときおり生命が、廃墟の中にわずかな苔の程度に、ぽつりぽつりと、花を咲かせているにすぎない事実を。≫

 ≪ぼくは世界の果てから帰ってきたのですよ、それでぼくは苦い孤独の匂いを、熱の砂嵐の渦巻を、熱帯地方の目ざめるばかりの美しい月かげを身にしみこませて帰ってきたんですよ!・・・・・・・(中略)・・・・ぼくは裏庭よりもっと遠いところを見てきました!裏庭のやぶかげなんか、ものの数でもないですよ!あんなものなんか、あちらの砂漠や岩山や処女林や大沼に比べたら、ものの数にもはいりません。あなたは知っていますか、人と人が出会うと、いきなり鉄砲を向けあう土地がこの世にあると?あなたは知っていますか、凍りつくほど寒い晩、屋根もなければ、ベッドもなければシーツもなしで眠らなければならないような砂漠が存在するということだけでも・・・。≫

 そして、最後の章「人間」の最後の一行は、この一文です。
「精神の風が、粘土の上を吹いてこそ、はじめて人間は創られる。」 (続く)
☆写真は、スイス上空 ニーセン山が見えます。

PageTop