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みんなみすべくきたすべく

ああ 水!

           すいすみずj
 (承前)
「人間の土地」 (サン=テグジュペリ 堀口大學訳 新潮文庫)は、「定期航空」「僚友」「飛行機」「飛行機と地球」「オアシス」「砂漠」「砂漠のまん中で」「人間」の8つの文でできています。

 文字通り「砂漠のまん中で」は、サン=テグジュペリ自身が、リビア砂漠で不時着遭難、水なしに歩き続け、そして生還した奇跡を迫真の筆で書いたものです。
 3日目で、やっと遊牧民に出会い助かるわけですが、そのときの「水」を口にしたときの文がこれ。生命の源泉である「水」のことをここまで表現できた文を他に知りません。

≪ああ、水!   水よ、そなたは、味も、色も。風味もない、そなたを定義することはできない、人はただ、そなたを知らずに、そなたを味わう。そなたは生命に必要なのではない、そなたが生命なのだ。そなたは、感覚によって説明しがたい喜びでぼくらを満たしてくれる。そなたといっしょに、ぼくらの内部にふたたび戻ってくる。一度ぼくらがあきらめたあらゆる能力が、そなたの恩寵で、ぼくらの中に涸れはてた心の泉がすべてまたわき出してくる。・・・・・(中略)・・・そなたは、単純な幸福を、無限にぼくらの中にひろげてくれる。≫(続く)
☆写真は、スイス ミューレン 

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