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みんなみすべくきたすべく

レディング牢獄の歌

        モリス部屋j
(承前)
閑話休題。
 「美」を追い、「美」に支配されたかのようなオスカー・ワイルドの晩年の詩「レディング牢獄の歌」は、当時、レディング監獄に投獄されたときのことを綴った長詩ですが、ここには、「美」という言葉が見当たりません。もちろん、調度も宝石も、刺繍も。色彩すらも無いに等しい。
 かろうじて、比喩として薔薇が出てきます。
≪さり乍ら、乳白の薔薇も紅薔薇も   獄牢(ひとや)の空にはよう咲かぬかもしれない。  こゝで、あの人達がわれらに呉れるものとては、  壺の破片(かけら)か、小石か、燧石(ひうちいし)の破片(かけら)である。≫

 筆が進み過ぎた感のある童話、言葉のやりとりが面白い戯曲、自らの「美」を描いた小説。ビクトリア朝社交界の寵児であったワイルドは、快楽を求め続け、その後年は、牢獄であり、終焉は、享年46歳、パリの宿での客死。

 もう、そろそろ、ここいらでワイルドをやめて、堀口大學に行こう・・・・・

 上記「レディング牢獄の歌」は「ワイルド全詩」(講談社文芸文庫)の日夏耿之介訳です。
 うーん。堀口大學びいきとしては、日夏耿之介訳に対し、なかなか素直になれません。(このことは、いずれまた)

*「ワイルド全詩」(オスカー・ワイルド 日夏 耿之介訳 解説は井村君江  講談社文芸文庫 )
☆写真は、ロンドンのホテル。ウィリアム・モリスづくし。

★★★ 「レディング」という街の博物館には、サトクリフの「第九軍団のワシ」の「ワシ」があるのよ!!
*「第九軍団のワシ」(ローズマリ・サトクリフ 猪熊葉子訳 ホッジス絵 岩波書店)

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