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まじめが肝心

      ホテル暖炉j
(承前) 
 閑話休題。
 西村孝二訳「サロメ/ウィンダミア卿夫人の扇」(新潮文庫)に入っている「まじめが肝心」を読みました。
 あとがきには、ワイルドの最高傑作とまで書いています。

 確かに、面白い。ごちゃごちゃ込み入って、ややこしいと言えばややこしいけれど、丁寧に読み進めば、途中から、ははん?ああなるでしょうね。と思ったように話が展開していくのが、可笑しい。
 「ウィンダミア卿夫人の扇」より、さらにシェイクスピアに近いような気がします。特に、「間違いの喜劇」に、似ている。「間違いの喜劇」は双子の話でしたが、こちらは、・・・・・。今から読む人のために、この最後のどんでん返しは、読んでからのお楽しみ。

 ただ、シェイクスピアと違うのは、ビクトリアンな上流階級のてんやわんやですから、お茶の時間のきゅうりのサンドウィッチにこだわり、バタつきパンにこだわり、ティーケーキを嫌がり、マフィンの取り合いになる・・・
 
 さて、誤解し合っている若い女同士、田舎の領主館(マナーハウス)住まいのCと ロンドン住まいのGのお茶のシーンは、いかが?
C: (愛想よく)「お砂糖は?」
G: (高慢ちきに)いいえ、結構でございますわ。お砂糖なんてもう流行おくれでしてね。(C、怒って相手をにらみつけ、角砂糖ばさみをとりあげて角砂糖を四つ茶碗に入れる。)
C: (きびしく)ケーキ、それともバタつきパン?
G: (うんざりしたという調子で)バタつきパンを、どうぞ。ちかごろ上流のお宅ではケーキはめったに出しませんわ。
C: (ケーキをとても厚く切って、盆にのせる)これをさしあげて。(執事、指図通りにして、従者と一緒に出て行く。)
G:(お茶を飲んで顔をしかめる。すぐお茶碗を下に置き、手をのばしてバタつきパンをとろうとして、見ると、ケーキだとわかる。)≫(続く)

*「ウィンダミア卿夫人の扇」(オスカー・ワイルド 厨川圭子訳 岩波文庫)
*「サロメ/ウィンダミア卿夫人の扇」(オスカー・ワイルド 西村孝次訳 新潮文庫)
☆写真は、ロンドンのホテル
 

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