FC2ブログ
 

みんなみすべくきたすべく

いろんな欠席理由

カウベルj
(承前) 
 さて、チルチルたちは森の中で、「木」たちに追われ、「動物」たちにも襲われするのですが、「光」の出現で事なきをえます。そして、「光」に≪人間は、この世ではたった一人で万物に立ち向かってるんだということが、よくわかったでしょう。≫と諭されるのです。

 そんな危機的状況の時にも、メーテルリンクはユーモアを忘れません。というか、大人のごたごたをさりげなく風刺します。
 「木」たちが集まった動物たちを確認するところがあります。

≪カシワ:さあ、これでみんなかね?
ウサギ:「メンドリ」は卵を抱いていてこられませんし、「ノウサギ」は使いに行ってるんです。「シカ」は角をいためていますし、「キツネ」は加減がわるいんです。――ここに医者の診断書があります。――「ガチョウ」はさっぱりわけがわかりませんし、「シチメンチョウ」はおこってしまったんです。」≫

 不思議の世界にもいろんな欠席理由があって、しかも、医者の診断書があれば、公認なんて、可笑しい。それに、どのいいわけも人間が今も使ってる。

 それにまた、チルチル・ミチルと行動を共にするネコも、なかなかいいわけ上手。
 みんなで戦っている時も、裏に潜み、終わると、足を引きずりながら藪から出てきて≪おなかのところを「去勢ウシ」の角でひどく突かれてしまいましてね。もう跡は見えませんけど、でもとても痛むんですよ。それに「カシワ」のやつに前足を折られてしまって。≫と言うのです。このネコは、責任感に乏しい、見栄っ張り。(続く)

*「青い鳥」(メーテルリンク 堀口大學訳 新潮文庫)
☆写真は、スイス オーバーホーヘン城の小屋

PageTop