

(承前)
昨日の≪彼等は少年時代や青春の楽しかった日を反芻する、すると彼等の過去の一切がよみがえって、心の中に浮かんでくる。≫
の、具体例が、最近あったので、書き残します。
いつも、授業の前に絵本を読んでいます。もちろん、18歳より大きい(その授業の今までの最高齢は50台半ば)人たちにです。
季節柄、そして、授業の展開上、読んだのは、「おおきな おおきな おいも」(福音館)でした。10人以下のクラスです。
本を取り出したとき、「あっー!知ってる!紫のお芋が続くやつや!」と、大きな声で指さす学生がいました。「これ、好きやってん。」と、にっこりするのです。
優しい顔をしています。うっとりという状況に近い表情です。
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読み終わっても、喜びは失せることなく、「ほんま、好きやってん!」と、この上もなく、穏やかで優しい表情。
日頃は、快活で元気という印象の学生の心の中に浮かんだ幼い頃の楽しかったこと。
その学生を支えている大きなものを見たような気がします。
*「おおきな おおきな おいもー鶴巻幼稚園 市村久子の教育実践による」(赤羽末吉作・絵 福音館)
☆写真は、スイス ヴェヴェイ

