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神の道化師

                 オーバーホーヘンチャペルj
(承前)
  ひょうきんでほのぼのとした画風のトミー・デ・パオラですが、 「神の道化師」は、我が家の子どもたちには、悲しい絵本として記憶に残っています。

 年老いた道化のジョバンニの最後は、死というもので終わるからです。いくら、幼いイエスの微笑みを得ることができたとしても、クリスチャンではない我が家の子どもたちには「死」というものの重さのみが残っていたようです。

 この話は、以前古本海ねこさん で書かせてもらったように、バーバラ・クーニー描くところの「ちいさな曲芸師バーナビー」と元を同じにしています。ただ、バーナビーは子どもで、最後は、≪元気よく、嬉しそうに宙返りをし・・・≫とあるように、未来に続いていく結末でした。トミー・デ・パオラは、その作者ノオトで記したように≪わたし自身の人生経験とかさねあわせ、心をこめて語りかえた。≫ようです。したがって、パオラの「神の道化師」は人生を深く知った者へのメッセージでもあると考えられます。

 そしてまた、このフランスに伝わる話を基に、アナトール・フランスが創作したものが「聖母と軽業師」「聖母の曲芸師」です。主人公も、子どもでなく成人ですが、結末の部分は、聖母が祭壇から降り、軽業師・曲芸師の額の汗をぬぐう・・・となっています。(続く)

*「神の道化師」 (トミー・デ・パオラ作 ゆあさふみえ訳 ほるぷ出版)
*「ちいさな曲芸師バーナビー」(フランスに伝わるお話 バーバラ・クーニー再話・絵 末盛千枝子訳 すえもりブックス)
*「聖母と軽業師-アナトール・フランス短編集」(アナトール・フランス文 大井征・訳 岩波文庫)
*「聖母の曲芸師 短編物語3」(堀口大學訳 横田稔装画 書肆山田)

☆写真は、スイス トゥーン湖畔 オーバーホーヘン城プライベートチャペル。

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