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消えた犬と野原の魔法

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「消えた犬と野原の魔法」 (フィリパ・ピアス作 ヘレン・クレイグ絵 さくまゆみこ訳 徳間書店)

  「トムは真夜中の庭で」*等のフィリパ・ピアスと、絵本「アンジェリーナ」シリーズ**等の画家ヘレン・クレイグが縁戚関係だったのは知りませんでした。
 ピアスの娘とクレイグの息子が結婚したのです。そして、二人の息子(つまり、ピアスとクレイグの孫)ナットとウィルを合わせた名前ティルが主人公の話が「消えた犬と野原の魔法」です。ティルは、居なくなった愛犬ベスを、ちょっとした魔法を伴いながら、探し出します。

 ピアスの他の作品の思い出も盛り込んでいます。まず、風景がおなじみだし*、犬と仲よくしている*のもそうだし、モグラ*もそうだし、リス*もそうだし、何より、魔法の世界に入る入り方が、自然で、なんの不思議もない不思議の国への入口に入っていくところが、形こそ違え、「トムは真夜中の庭で」を思い出させます。ピアスの築いた世界を、反芻しながら楽しめます。
 もちろん、ピアスの他の作品を知らなくても、あるいは、「トムは真夜中の庭で」を読むまでに、まだ少し時間のある小学校前半の子どもたちにも楽しんでほしい一冊です。

 また、マザーグースやシェイクスアがキーワードになったり・・・あるいは、単語遊びになったり・・・と、英国の言葉の入口を大きく開けて、次の世代に伝えようとするピアスの親心、いえ、おばあちゃん魂。
  しかも、ピアス自身とクレイグがモデルとなった二人のおばあちゃんたちも登場し、話は、進みます。
  ピアス晩年の作品です。(続く)
 
*「トムは真夜中の庭で」(スーザン・アインツィヒ挿絵 高杉一郎訳 岩波書店)
*「ハヤ号セイ川をいく」(足沢良子訳 アーディゾーニ挿絵 講談社)
*「まぼろしの小さい犬」(猪熊葉子訳 アントニー・メイトランド挿絵 岩波書店)
*「川べのちいさなモグラ紳士」(猪熊葉子訳 パトリック・ベンソン挿絵 岩波書店)
*「りす女房」(猪熊葉子訳 倉石隆絵  冨山房)
**「アンジェリーナ」シリーズ(キャサリン・ホラバード文 ヘレン・クレイグ絵 おかだよしえ訳 講談社)
☆写真は、ロンドン リージェントパーク

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