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アンドレ・ジイド

        ノートルダム花j
 (承前)
 確か、中学生の頃、読書感想文の宿題で、わかったような気になって、ジイドの「狭き門」の感想を書きました。そして、その後も、ジイドはその一冊しか読みませんでした。今は、どんなこと書いたのか、あるいは、そもそもどんな話だったのかさえ、定かでないのが、なさけない。
 
 この年齢になっても、中学の頃と、さほど変わらぬ読解力とはいえ、あの頃、次々手を出した有名な本を読み返してみると、ふーん、こんなこと書いていたんだと、当時の感じ方とちがう経験ばかりしています。

 それで、当時も読んだことのなかったジイドの「一粒の麥もし死なずば」(堀口大學譯 新潮文庫)です。

 ジイドの幼い頃からの出来事、その頃の心の動き、よくまあ覚えているものだと感心しながら読み進むのですが、思春期や青年期に入ると、当初より、少々歯切れが悪くなっていくような気がします。何故か?

 また、彼の作品に出てくる人物が、実は誰で、どんな背景だったかについても、何度か言及しています。
 あるいは、芸術家の話題も多く、第一部ではマラルメとの交流や火曜会のことにも触れ、第二部では、英国のオスカー・ワイルドとの交流も書かれています。

 それで、第二部。
 もうここでは、歯切れの悪さは消え、かえって、居直ったかのように、同性愛をカミングアウトするわけです。第一部が幼い頃から青年期の備忘録であれば、第二部は官能的な生活の告白のような感じがありました。この告白をするのために、第一部を執筆したとも、思えるほどです。
☆写真は、パリ ノートルダム
  

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