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みんなみすべくきたすべく

今僕にぴったりする唯一の詩人

うらみちj
(承前) ランボーやヴェルレーヌのことを、そろそろ休憩しようと思って居たら、電車で読んでいたアンドレ・ジイド(1869~1951)「贋金つくり上下」 (川口篤訳 岩波文庫)の中に、こんなことが書かれていました。
 
 親友ベルナールと2人揃っての文壇デヴューを夢見るオリビエに、ベルナールが言います。
 ≪「楽に書けるようなものには、僕は心をひかれない。僕がうまい文章が嫌いなのは、自分がうまい文章を書くからだ。何も難しいこと自体が好きなわけじゃないが、実際、今の文学者って、あまり苦労をしないな。小説を書くには、僕はまだ他人の生活を十分に知らないし、自分自身の生活経験も足りない。詩は、僕には退屈だ。アレクサンドラン(十二綴音の詩句)は、古臭いし、自由詩は体をなしていない。今僕にぴったりする唯一の詩人は、ランボーだ。」≫
 ・・・と、若者が、文を書くことについて、自信満々で屁理屈をこねる場面ですが、ベルナールの心情を代弁するのがランボーだというわけです。 しかも、まだ突っ張って言います。
≪・・・・あんなのたれ死にをしても、彼の生活の方が羨ましい。≫

 彗星のように消えて行ったランボー(1854~1891)なのに、本当に凄い影響力です。(続く)
☆写真は、スイス モルジュの裏通り。

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