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宿なき人の如く  いや 遠くわれ歩まん。

 たんぽぽj
ランボオ「そゞろあるき」
≪宿なき人の如く  いや 遠くわれ歩まん。 ≫(永井荷風訳 岩波文庫)

(承前)
 スイスに行く前に紹介したランボー「感触」 (堀口大學訳)は、ランボー15歳の作品でした。「地獄の季節」や「飾画篇」にも惹かれますが、個人的には、特に、初期の作品、つまり、15歳やそこいらのランボオの詩が好きです。素直でみずみずしい。天才ならずとも若者共通の感性を見ることができるからです。

 さて、Sensatioin「感触」(堀口大學訳)は、宇佐美斉訳では「感覚」、金子光晴訳では「Sensatioin」、中原中也訳では「感動」、永井荷風訳では、「そゞろあるき」となっています。堀口大學訳(→)と永井荷風訳では、ずいぶんと印象が違うでしょう?
そゞろあるき
≪蒼き夏の夜や 
麦の香(か)に酔ひ野草(のぐさ)をふみて
小みちを行かば
心はゆめみ、
我足さはやかに
わがあらはなる額(ひたい)、
吹く風に浴(ゆあ)みすべし。

われ語らず、われ思はず、
われたゞ限りなき愛
魂の底に湧出(わきいず)る覚ゆべし。
宿なき人の如く
いや 遠くわれ歩まん。
恋人と行く如く心うれしく
「自然」と共にわれは歩まん。≫(続く)
☆写真上、ニーダーホルンニーセン山を望む。写真下は、蒼き夏の夜in モルジュ。
          夏の夕暮j

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