FC2ブログ
 

みんなみすべくきたすべく

出発だ、新しい情と響きとへ。

風を受けるヨットj
ランボオ「出発」
≪知り飽きた。差押えをくらった命。―――ああ、『たわ言』と『まぼろし』の群れ。  出発だ、新しい情と響きとへ。≫(小林秀雄訳 岩波文庫)

(承前)
 トゥーン湖畔シュピーツ駅から、長いトンネルを抜け、乗換て、東に行くとイタリアへ。西に行くと、レマン湖(写真)の方に。
 その乗換駅VISP(フィスプ)で、一人の黒人の若者が、鉄道乗換表示をプリントアウトした紙のSIONという文字を指さし「OK?」と夫に聞くから、夫は案内板を見て、確かにその駅は止まるので、「SION、OK!」と答えました。が、怪訝そう。夫は案内板に書かれているSIONの表示を指さし、もう一度「SION,OK!」
 ところが、その若者と一緒だった女性は、別の人に聞きに行っています。
 で、その男女で「行くみたい・・・」のような会話をしたものの、男性は、また戻ってきて、今度は私に聞いてきます。私も案内板を指さし「SION,OK」!と答えました。
 さあ、列車が入ってきました。まだ躊躇している彼らをみて、そばに居た他の客たちも「OK!OK!」と乗るように促しました。
・・・・・さて、SION駅に着いたとき、彼らが降りたのが見えたときは、ほっ。

 レマン湖畔にあるシヨン城 Château de Chillon(写真下右手)ではなく、スイス南東のヴァレー州の州都シオン SION。
 アルファベットになじみがない彼ら、鉄道の案内板のことを知らない彼ら。荷物の多さから、観光客ではなかった彼ら。今頃、葡萄を収穫する季節労働にでも就いているんだろうか。
 そして、今、メディアが伝えるシリア難民の姿を見ると、憂慮すべきこと、難しい問題ではあるけれど、人のたくましさというものも見ることができます。(続く)

               シニョン城j

PageTop