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みんなみすべくきたすべく

「消灯!」の声がかかるまで

      らんさまいとj
(承前)
 「空飛ぶ船と世界一のばか」(アーサー・ランサム文 ユリ・シュルヴィッツ絵 神宮輝夫 岩波)は、アーサー・ランサムが、ロシアの昔話を再話して刊行した「ピーターおじいさんの昔話」(アーサー・ランサム著 ドミトリー・ミトローヒン挿絵 神宮輝夫訳 パピルス)の中に入る22編のうちの一つです。同じ神宮輝夫の訳ですが、こちらは、「空飛ぶ船と世界一のお人よし」というタイトルになっています。馬鹿よりお人よしの方が緩い感じはしますが、馬鹿の方が、賢くなる変化が大きくて面白いのになぁ・・・(ちなみにお人よしは、最後、器量よしの若者になります。)
 
 もちろん、再話者のアーサー・ランサムは、かの「ツバメ号とアマゾン号」シリーズの作者です。世にいうランサマイトというこのシリーズ愛好者の末席の端っこ隅つつきとしては、このランサムサガと呼ばれる12巻を隅々まで読み返し、書き綴っておきたいことは山ほどあるものの、今回は、この「ピーターおじいさんの昔話」のまえがきにあったランサム自身の言葉を書き写すのみにしておきます。*** 「ピーターおじいさんの昔話」は1915年に出され、1938年に新版がでます。(1929年より9年あと!)そのときの前書きです。

≪・・・・冒険物語の方法はさまざまに変わるけれど、フェアリー・テイル(特にフェアリーがまったく、あるいは、ほとんど出てこないもの)は(私のように)ただ話をまとめて読者に手渡す編集者の力などに関係なく、話そのものの生命によって、いつまでも生き続けます。それでも、これははっきりいえるのですが、ツバメ号とアマゾン号の子どもたちが小さかったとき、彼らはこの本のフェアリー・テイルをそらでおぼえていました。ツバメ号とアマゾン号の本を読んだ人たち(それから、まだ自分では読めない人たち)も、この本に集めたような話をおぼえていて、夜、キャンプ・ファイアに土をかぶせて「消灯!」の声がかかるまで、仲間に話してきかせたり、きかせてもらったりできたらいいなと思います。≫

*「空飛ぶ船と世界一のばか」(アーサー・ランサム文 ユリー・シュルヴィッツ絵 神宮輝夫訳 岩波)
*「ピーターおじいさんの昔話」(アーサー・ランサム著 ドミトリー・ミトローヒン挿絵 神宮輝夫訳 パピルス)
☆写真は、ランサムワールドの写真はがき。1988年にT.Nさんが写されたもの。T.Nさんお元気ですか?

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