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映画「ターナー、光に愛を求めて」

      たーなーj
 映画「ターナー、光に愛を求めて」を見ました。
 ターナーの作品は、ロンドンでたくさん見ることができますが、初めてロンドン テートギャラリーに行ったとき、ターナーだけの部屋があり、光が自然に入ってきていて、その採光に驚いたものです。

映画のタイトルにも「光」とあるように、ターナーと光は切り離せないのでしょう。
 映画の中でも、「光」は意識され、風景だけでなく、アトリエや絵の所蔵室でも柔らかい光が差し込む設えになっていました。

 実際、ターナーの影響はパリの印象派といわれる人たち、特にモネに見ることができるし、あるいはホイッスラーにもみることができます。
 が、本場のイギリスでは、ターナーの後、いわゆるラファエル前派集団が台頭し、パリの印象派のような絵画傾向とはなりませんでした。何故なんだろうと、ずっと思っていたのですが、どうも、ターナー個人の生き方も少しは関係があるのでは?と映画を見て思いました。

 映画を見る限り、かなり変なおじさんがターナーでした。演技のうまい俳優さんでしたが、ずいぶん、誇張もあるのではと思いながら、映画を見ました。それで、家で〝Turner at Petworth”という画集のイントロダクションに出ている絵を(上記写真)見ると、体型も映画そのままだし、コウモリ傘をいつも携えていたところも同じだし、床に布が散らかっている様子も、パトロンがそばにいて、夢中で描いている様子もそのままだし・・・ということで、やっぱり、映画は、ずいぶんターナー本人に近かったのだと。
 とすると、悲しみでいっぱい、憐れを身体いっぱいに表現した下女、最後を看取った婦人とのささやかな幸せの日々も事実に近いのかもしれません。

 なんにしても、映画監督自身が、ターナーの風景画を意識し、素晴らしい風景の映像を見せてくれます。文字通り、絵に描いたような風景が、広がっていました。(続く)

☆写真は、‟Turner at Petworth”という図録に出ているS.W.Parrott作 Turner on Varnishing Day at the Royal Academy1846:写真左中下に白く点在するのは、この写真のせいではなく、もとの絵についた傷みだと思われます。25.1×22.9センチの小さなもの。シェフィールドのラスキンギャラリー蔵。

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