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スキャンダラスな心理学

ブラックベリーj
 自慢じゃありませんが、読むのはほとんど、文学系の本。科学系の本は滅多に読みません。(必要な専門書は読まざるを得ませんが・・・)
 必要な専門書に近いといえば近いけど・・・「増補 オオカミ少女はいなかったースキャンダラスな心理学」 (鈴木幸太郎 ちくま文庫)は、電車で一気読み。
 かつて、教育系の学生だったとき、オオカミに育てられた女の子たち(タマラとカマラ)の話は、心理学の授業で聞き、多分、教科書のようなものにも写真が出ていたのを記憶しています。

 月日は流れ、学生ではなく教員となり、保育系の学校で使った資料にも、その話は出ていました。直接、心理学を指導したわけではないので、参考程度でしたが、インパクトの強かったこのオオカミに育てられた少女たちの話は、≪ヒトとして生まれてきても、人間の環境で育たないと、つまりヒトの間で育たないと、「人間」になれないことを示す例≫(P45)として、紹介したことがあり、学生たちも心理学の授業で聞いたと言っていました。

 が、しかし!その話が、どうも正しいデータがなく、写真は改ざんされたものである等と、「増補 オオカミ少女はいなかったースキャンダラスな心理学」の著者は検証していきます。
 確かに、不審なところだらけです。が、鵜呑みにしておった・・・そうだったのか・・・

 へぇー。しらなんだ。の話は、このオオカミに育てられた少女たちの話だけでなく、天才馬や、環境の異なるところで育った双生児の研究、プラナリアの学習や、乳児の恐怖の研究など、どこかで聞きかじったような、インパクトの強い研究発表を、見直しています。研究者の人間関係までにも論及し、スキャンダルな心理学という副題らしく、読みやすく書かれた一冊となっています。

 ここに取り上げられたどの研究も、おおよそ単一の結果で、あとから、同じ結果を導き出せないということが核心となっています。
これって、わりと最近、大騒ぎになった研究結果(若い女性研究者で注目度の高かった)事件と、なんら変わりがないなぁと思いました。つまり、センセーショナルな研究発表は、いつの世でも、ふつーの人の耳目を集め、スキャンダルと紙一重にあるのだと。 ☆写真は、英国テムズ川沿いのブラックベリー

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