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召使心得

 ばすこっとうらj
 「ガリバー旅行記」のジョナサン・スウィフト「召使心得 他四篇 スウィフト風刺論集」 (原田範行訳 平凡社ライブラリー)を読みました。

 大人になって、「ガリバー旅行記」(ジョナサン・スウィフト文 C.E.ブロック絵 坂井晴彦訳 福音館)を読むと、風刺臭を嗅ぎ取れますが、子どもの頃読んだときは、そんな匂いより、そのファンタジックな世界、ありそうな気がする架空の世界の事ごとに、心を惹かれ、風刺などということは、ほとんど感じず読んでいました。(多分、抄訳だったと思われます。)
 
 その作者が、徹底的に風刺、皮肉、それに毒気、中には、悪い冗談が過ぎるとも思える文を書き連ねているのが、「召使心得」他4篇です。
 
 たとえば、「淑女の化粧室」の初めはこうです。
≪五時間も(いや、それより早くできる方なんておられませんが)、お化粧三昧のシーリア様が、女神よろしくお部屋をご出発、レース、金襽、薄絹に飾られて。≫と、まずは軽くジャブ。
 その後、召使たちがシーリア様の散らかった部屋に入り、五感を駆使して、その一部始終を報告するのが「淑女の化粧室」なる文章。

 また、「召使の心得」は、まず「総則」から始まって、執事、料理人、従僕、馭者、馬丁、家屋管理人並びに土地管理人、玄関番、部屋係、侍女、女中、乳搾り女、子供の世話係、乳母、洗濯女、女中頭、女家庭教師の心得と続き、補遺として首席司祭の召使の定め、宿屋での召使の役目となっていて、
数限りなく心得はあるものの、その総則にこんなことが書いてあります。
≪三回か四回ほど呼ばれるまでは出て行かぬこと。口笛を吹かれてすぐに出ていくのは犬くらいのもの。「誰かいるか?」などと旦那さまに呼ばれて出て行く召使などいるはずがありません。「誰かいるか」などという名前の召使はいませんから。≫

 さて、最後にもう一つ、
≪あらゆる過失は、かわいがられている犬や猫、猿、鸚鵡、カササギ、子供、あるいは最近クビになった召使のせいにしてしまいましょう。そうすることで、自分も助かるし、仲間に迷惑をかけることもない。それに旦那さまや奥さまには、叱る手間やわずらわしさを省いてさしあげられます。≫

ただし、ここに書き写した(書くことのできた)のは、まだまだまーだまだ序の口です。
☆写真は、英国 バスコットパーク 裏庭 ローマ風テンプル

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