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みんなみすべくきたすべく

手は知性の命じるところを なぞるままに

さもとらけのにけj
(夢の続き)(承前)
 ・・・と、今度は、須賀敦子がミケランジェロの詩を訳しているのを見つけました。それは、一昨日の早川訳と同じ箇所の訳なのか、全く違うところなのか、イタリア語の素人には確証がありません。ただ、真意としては同じだし、どちらもヴィットリア・コロンナに捧げられた(と思われる)とあります。
 以下、須賀敦子訳の前半部分のみ。

≪優れた芸術家は 大理石にむかうとき
 余計の部分に かくれ潜む
 ただ一つの真理を追うだけ
 手は知性の命じるところを なぞるままに

 それに似て 疎ましい災いも 待ち望む善きことも おお
 誇り高い女神よ 爽やかな君よ おんみはすべてを秘めている
 だが わたしの芸術(わざ)は 心に背き
 思うように 実をむすんではくれぬ≫(ミケランジェロの詩と手紙)

 個人的には、この須賀敦子訳が好みですが、この訳だったら、運慶のことは思い浮かばなかったかもしれません。

 いずれにしても、漱石は、イタリア語で、ミケランジェロやルネサンスにアプローチしたというより、英訳や英国人の書物から、近づいたのではないかと、思います。ならば、、「D.G.ロセッティ作品集」に付録で掲載されている「ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ」(鑑賞批評集)の著者、英国の文人ウォルター・ペイターもその範囲にいるだろうし、ウォルター・ペイターの書いた「ルネサンス」(白水社)も無関係ではないのだろうと。(夢は続く)

*「須賀敦子全集第5巻」(須賀敦子著・訳 河出文庫)
*「ルネサンス 美術と詩の研究」(ウォルター・ペイター著 富士川義之訳 白水社)
*「キューピッドとプシケー」  (ウォルター・ペーター文 エロール・ル・カイン絵 柴鉄也訳 ほるぷ)

☆写真は、パリ ルーブル美術館の「サモトラケのニケ」。ミケランジェロとはまったく関係なく、大理石の彫刻ということだけが共通点です。

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