FC2ブログ
 

みんなみすべくきたすべく

50年近く前の本

       ツツジj
 古い本を引っ張り出して読んでいたら、その最後の最後に、大事な言葉が並んでいました。古いと言っても1967年初版で、手元にあるのは、1974年の7刷「子どもと文学」 (石井桃子、いぬいとみこ、鈴木晋一、瀬田貞二、松井直、渡辺茂男共著 福音館)です。共著ですので、それぞれが分担し書いているのですが、その最後は石井桃子が担当しています。

≪母親は、幼い子といっしょに、もう一度、自分の国のことばのひびきに耳を傾ける努力をし、教師は、まずその子たちの将来の武器である読み書きの能力を、それがのびるうちに、できるだけのばすことに努力し、作家は、新鮮な目で子どもたちの心の動きを見つめ、もう一度その世界のひみつをさぐりだす努力をしたいものです。そして、家庭でも、学校でも、図書館でも、本のなかにはすばらしい世界があるのだということを知らせたいものです。これが子どもの文学に関心を持つ者たちの任務でしょう。≫

 漫画、アニメーション、ゲーム、WEB・・・日に日に、子どもたちを取り巻く状況は刺激的になり、効率的になり、心奪われるものが溢れます。そんななか、50年近く前の言葉が今も生きていて、否、今こそさらに忘れてはいけないものになって、我々大人の前に、あります。ところが、真面目な人ほど、ここにある「努力」や「任務」という言葉だけを受け止め、結果、上から目線になってしまいがち。が、ここで一番大事なのは、子どもも大人も本のなかにはすばらしい世界があることを知って、一緒に、その世界を楽しむことだと思っています。

PageTop