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徒歩の旅

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「若い人々のために 他十一篇」 (スティーヴンスン 岩田良吉訳 岩波文庫)
 果てしなく並ぶ書店の文庫本の中で、簡単に見つかるのが、「復刊」の帯。
 で、2月に復刊されたのが、「宝島」のスティーヴンスン(1850~1894)の随筆集「若い人々のために」。ちっとも、若い人ではないけれど、昔若かったのだからと読みました。
 どれもこれもすんなり読めたわけではありませんが、いくつか、心に留まる文に出会います。

「徒歩の旅」というエッセイは、わかりやすいものです。
≪徒歩の旅をほんとうに楽しむためには獨りで行かねばならぬ。たった二人連れでも、連れがあるともはや徒歩の旅と云ふのは名だけで、それはある別な、ピクニックと云った方がゝものとなってしまふ。≫
≪…瞑想的な朝の静けさに調和しない饒舌な人聲が手近にあってはならない。且つ議論をしてゐる間は、大氣のよき運動から生ずるかの快き酔ひ―――それは頭脳の一種の眩惑と倦怠に始まり、名状すべからざる一種の平和に終る―――に身を委ねることはできない。≫

はいはい、朝の静けさに調和しない饒舌な人聲!私のことではありませんか!朝起きるなり、ギアはトップに入り、朝からハイテンションの私のことではありませんか!平和を乱してすみません。今後もう少し静かにします。

 そして、ハズリット(1778~1830)の言葉を引用しながら書いているところなど、そのリズムに同調でき、とても愉快でした。≪こゝに、ハズリット自身の告白を誌さう。これはそれを読まない者にはすべて罰金を課してもいゝほどの傑作たる彼の随筆『旅について』からの引用である。    「私の望むことは、頭上に晴れた青空、足下に緑の草地、行手に曲折のある道、それから食事(そのあとには楽しい思索があるのだ!)までの三時間の行程。この寂しい灌木(ヒース)の原では鳥や獣を飛びさせまいとしてもそれは難しい。私は笑ったり、駆けたり、跳んだり、樂しさのあまり歌ったりしながら行く。」   偉い!・・・・・≫(続く)
☆写真は、英国 オックスフォード テムズ上流

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