FC2ブログ
 

みんなみすべくきたすべく

千篇一律孜々として

ばあやj
 (承前)
  「孔雀のパイ」(瑞雲舎)の挿絵画家、アーディゾーニは、ファージョンの「ムギと王さま」の挿絵でも、絵本「チムとゆうかんなせんちょうさん」シリーズでも、どれも、一貫してアーディゾーニの絵!とわかる描き方で、我々を魅了してきました。
これを瀬田貞二は、≪アーディゾーニは、千篇一律孜々として人生の全体を、全体の人生を紡ぎつづけている。≫と、その「絵本論」の中で表現します。

 アーディゾーニの絵本にも挿絵にも時折でてくるのが、言葉の「吹き出し部分」です。現代では、漫画で使われているあれです。
 これは、≪・・・・登場人物については、物語の中でことばを使って説明するスペースがないので、絵画表現で創造しなければなりません。背景や登場人物を描くだけでなく、そのときどきの微妙な情感や瞬間を表現しなければなりません。そこで、よく使うのが、登場人物の口に「ふきだし」をつけて、その中に文字を入れる方法が、またとなく役に立つのです。≫(オンリーコネクトⅢ「絵本の創造」)というアーディゾーニ自身の考えによるものです。が、イギリスの物語る絵の流れからいうと、ホガースから始まる風刺画の流れの中で、ローランドソンやギルレイを経て、ディケンズの挿絵を描いたクルックシャンクなども、よく用いています。
 アーディゾーニが挿絵を付けたファージョンの「年とったばあやのおはなしかご」で、ばあやのまわりに子どもたちが集まり、お話を聴いているシーンの絵は、クルックシャンクが描いた「親指太郎と七リーグぐつ」 の表紙の絵と、雰囲気が似ている気がします。(続く)

*「孔雀のパイ」(デ・ラ・メア詩 アーディゾーニ絵 まさきるりこ訳 瑞雲舎)
*「ムギと王さま」(エリナー・ファージョン文 アーディゾーニ絵 石井桃子訳 岩波)
*「チムとゆうかんなせんちょうさん」(アーディゾーニ作 瀬田貞二訳 福音館)
*「親指太郎と七リーグぐつ」 復刻世界の絵本館オズボーン・コレクション ほるぷ
*「年とったばあやお話かご」(エリナー・ファージョン アーディゾーニ絵 石井桃子訳 岩波)
*「「オンリーコネクトⅠ~Ⅲ 児童文学評論選」(イーゴフ/スタブス/アシュレイ編 猪熊葉子/清水真砂子/渡辺茂男訳 岩波)
☆写真は、手前に、クルックシャンク絵「親指太郎と七リーグぐつ」 の表紙。うしろにアーディゾーニ絵「年とったばあやのお話かご」の挿絵。

PageTop