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みんなみすべくきたすべく

星と琥珀と白鳥と

ニヨン朝日j
 (承前)「変身物語」と「ディアナとカリスト」で、続きで書くとしたら、海に浴せないカリストたち大熊座(北斗七星)が登場する、パエトンのところ。

 太陽神アポロンの息子かどうか疑われたパエトンは、直接太陽神のところに行きます。望みを叶えてやろうという父親に、父親の車駕(しゃが)、脚に翼を持った馬たちをあやつる権限を一日だけ与えてほしいと、ねだります。父親が、さんざん留めようとするも、言うことをきかず、御せず、暴走、手綱を離してしまい、大地は燃え・・・・最後は、ユピテルの雷に打たれ、車から落ち生命を失います。

≪…四頭の馬たちは、にわかに暴走し始めて、踏み慣れた道を離れ、いつものような正規の進路を走ろうとはしないのだ。パエトン自身は、震え上がった。・・・・・こうして、このときはじめて、冷え切った「北斗七星」が熱くなり、禁じられた海に浴そうとして空しい努力を試みた。氷雪に閉ざされた北の極にもっとも近い「蛇」は、これまでの寒さのために動きが鈍く、誰にも恐怖を与えていなかったが、このときは、熱せられて、熱さのために未曾有の怒りを爆発させた。あの「牛飼い」星も、あわてふためいて逃げたというが、ただし、足は遅かったし、みずからの牛車が足手まといになったとか。…≫
 
 こうやって、「星々」の話が出てくるし、パエトンの死を悲しんだお姉さんたちが木になり、その樹皮からしたたる樹脂が「琥珀」になる話があるし、嘆く血縁の息子が「白鳥」になるものの、ユピテルが投げた雷電のことを覚えていて、沢や広い湖を好み、火を嫌い、自分の住みかにも、燃える火と対照的な水流を選んでいるという話があるし・・・・非科学の極み、荒唐無稽みたいなようでいて、実は「そういうことだったのか」と、納得できるところが、「変身物語」の尽きぬ魅力。(続く)

*「変身物語」(オウィディウス 中村善也訳 岩波文庫)
☆写真は、スイス ニヨン

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