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みんなみすべくきたすべく

清らかな海に浴するなんて、とんでもない!

パースj
  (承前)ディアナの怒りに触れ、追い出されたカリストは、怒り狂ったユピテルの后ユノーに変身させられました。それは、≪怒ったような、威嚇するような、何とも恐ろしい声が、しわがれた喉から出るだけ≫の雌熊です。そして、生まれた息子と、15年後遭遇します。母は雌熊、息子は槍を持っています。すんでのところで、ユピテルが突風によって彼らを空中にさらい、天上に住まわせて隣同士の星に変えました。

 ところで、デ・ラ・メアの「冬」という詩の最後に
≪・・・・空の かなたで 唸るのは 手足を 伸ばす 大熊座…≫という箇所があって、大熊座が唸るってどういうこと?と思いながら訳していましたが、もしかしたら、この背景が関係しているかと思うと、一段と深みが増します。
 
閑話休題。
 それで、大熊座と小熊座といっても、ぴんと来なくてもカリストたちが北斗七星であること。北半球では、ずっと天空に在る北斗七星であることを考えると、さらにお話が深まります。
 つまり、ユピテルの后ユノーが、カリストたちが星になって輝いていることに、まだ、まーだ怒って、海の神に直訴することと関係します。≪・・・・あの北斗の星々をこの紺碧の海から閉め出し、みだらな行為への代償に天界へ迎え入れられた彼らをおいはらってください!あの情婦(いろおんな)が清らかな海に浴するなんて、とんでもない!≫(続く)

*「変身物語」(オウィディウス 中村善也訳 岩波文庫)
☆写真は、南半球 オーストラリア パースから船に乗って。(撮影:&CO.A)
 

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