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みんなみすべくきたすべく

この木陰ばかりは避ける

エルダーベリーj
 (承前)
 「黄金の壺」の初めで、重要な環境設定に使われるのは、「にわとこ(ニワトコ)(エルダー)」でした。

 この花のことを初めて知ったのは、多分、サトクリフの「トリスタンとイズー」だったと思います。この本には、いえ、この本だけではなく、サトクリフの話には、たくさんの植物が効果的に配置されていて、興味深々、一時期、熱心に調べた時期がありました。で、購入したのが「英米文学植物民俗誌」(加藤憲一著 冨山房)でした。
そこには、ニワトコ(セイヨウニワトコ)
    ○6~7月頃,クリーム色がかった小さな花をびっしりつける。
    ○この木の発気には一種の麻酔性があって,昼寝をするのにもこの木陰ばかりは避けるという。
    ○枝はいくら切っても伸びるので,不死の象徴○憐憫,熱意
    ○古いゲルマン神話では,すべての妖精はoak やelder の根元に住んでいると
     されている。イギリスでは,日没後はこの木に近づかないがよいという。
と、あります。
 この木には一種の麻酔性!うーん、だからですね。「黄金の壺」の魔法の世界の入り口にも、「トリスタンとイズー」の妖しい世界への入り口にも、ニワトコがはえているんだ!

≪・・・・船が錨を下ろした小さな入り江には、ニワトコの木がいっぱいに花をつけている険阻な谷から流れが注ぎ、雲雀の歌とかぐわしい土の匂いが、海鳥の叫びや冷たい潮の香とまじりあっていた。・・・≫(続く)
*「黄金の壺」 (ホフマン・神品芳夫訳 岩波文庫)
*「トリスタンとイズー」(ローズマリー・サトクリフ 井辻朱美訳 沖積舎)

☆写真は、英国ケルムスコットマナーのニワトコの実?のはず。日本のニワトコは熟すと赤いのですが、セイヨウニワトコは熟すと黒い実に。

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