FC2ブログ
 

みんなみすべくきたすべく

目でお話を考え、色でお話を描いた

ニュージャージーj
(承前)
  瀬田貞二は、「絵本論」(福音館)に、ルドウィッヒ・ベーメルマンスは、≪一面すぐれた随筆家としても有名で≫とし、そのエッセイ『お父さん』を一部載せています。
 これは、ジョン・ベーメルマンス・マルシアーノの書いた「ベーメルマンス マドレーヌの作者の絵と生涯」 (福本友美子訳 BL出版)」の中にも載っています。(『お父さん、大好きなお父さん(1953年「科学と人間」より)
≪・・・「パパは、絵で考えるんだ。だって目に見えるものは全部絵だもの。・・・・楽しい夢ならたいてい色がついているよ。・・・・ああ、絵をかくほうがいいね。文を書くのは骨が折れる。」・・・≫

 確かに、ルドウィッヒ・ベーメルマンスの作品は、≪目でお話を考え、色でお話を描いた≫(瀬田貞二「絵本論」)、楽しい夢の延長にあるように思います。どの作品ものびのびと明るい。

 リリアン・スミスが指摘した≪・・・ベーメルマンスが『マデライン』のなかで、色を使って描いたパリの画は、気楽な、別に深刻味のあるものではないが、一人ならず本格的な画家――たとえば、ヴラマンクのような人の影響を示しているとはいえないだろうか。・・・≫という箇所とも重なります。確かにヴラマンク前半のエネルギッシュな絵の雰囲気と明るさとつながるのです。(拙文「ヴラマンク」の項

  さて、写真は、「ベーベルマンス―マドレーヌの作者の絵と生涯」(ジョン・ベーメルマンス・マルシアーノ著 福本友美子訳 BL出版)です。上は、表紙カバー。真ん中に広げているのは、「ニュー・ジャージ州の湿原から見たエンパイアステイステートビル」(油彩)1959年作。そのノート走り書きには、こんな言葉が、
≪ニュージャージー州の橋を書く――ここでは躍るような色彩にいつも魅了される。輝き、紫、そして夜になると藍色の染料の海があふれだすようだ――太陽がしずむほんのつかの間――それに抵抗する物体――建設中の橋――上に道路が通る橋――空が最後の輝きを見せ、やがて消え――真っ暗な夜になる。≫
  この絵をルドウィッヒ・ベーメルマンスが描いた頃、ニュージャージーには、その後すぐ、アメリカの音楽界をリードするグループがいました。ジャージー魂を持つ青年たちでした。(続く)

PageTop