FC2ブログ
 

みんなみすべくきたすべく

ノンフィクション部門

                こわいかおj
 今年読んだノンフィクション部門で一番面白かった本のこと書いておかなくちゃ、と思っているうちに、これまた月日は流れ・・・ 作者は、「ナルニア国物語」のC.S.ルイス。訪英前に買って積んでおいた文庫本を電車読書に充てたというのが、実のところです。

 「悪魔の手紙」 (C.S.ルイス 中村妙子 ちくま文庫)
  ただ、この本が、ノンフィクション部門と言い切っていいのかどうか。
  現役を引退した悪魔スクルーテイプがその甥、悪魔の初心者である甥に書いた手紙集という形を取った文だからです。悪魔が手紙を書くのですから、フィクション部門ともいえるものの、背景にあるのは、第二次大戦と ヒトラー。
 
 キリスト教徒であり宗教家でもあるルイスが、悪魔という神とは真反対の存在を借り、手紙という形を取り、悪魔見習いの甥を指導するのですが、言うことは、ことごとく、常識的な思考とは真反対。善が悪であり、悪が善である。

 読みながら、悪魔に加担せぬよう、「・・・といっているのは、・・・・ではないということだから」と、頭の中は、真反対に考え、読み進みます。悪魔が書いた手紙を、そうじゃない、そうじゃないと唱えながら読む面白さ。時々、え?だから?と、悪魔的思考に引き込まれつつも、また頭のいつもとは違うどこかが反応し、ふむふむ、これは悪魔の考えね。と、確認しながら読む作業の面白いこと。倍読んでいる感じなのです。
 もちろん、大真面目に論じている宗教書の類です。これは。
 
 クリスチャンではない私には、こんなに2倍楽しめる人生哲学の本なんて、そうあったものじゃないと感じ、帰国後一気に読んでしまったというわけです。

 ルイスは、「面白い話」を目指していたのか、「なるほど、宗教は深いものだ」と意図していたのか、どっちに近いのでしょう。偽悪ぶって書く手法の究極の人物――悪魔――の姿をとって、キリスト教的宗教観を表した面白さ。

 クリスチャンの中には、この本をふざけてると怒った人もいるだろうなぁ。
 が、クリスチャンでない人が、こんなに楽しんだのだから、狭い了見で、「悪魔の手紙」を読まない方がいいのではないかと。
☆写真の、怖い顔は、多分、英国バスコットパークのお屋敷(だったと思う)。

PageTop