FC2ブログ
 

みんなみすべくきたすべく

物語の始まり

オックスフォード街中j
(承前)
 「トールキンとC.S.ルイス 友情物語 ファンタジー誕生の軌跡」 (コリン・ドゥーリエ著 成瀬俊一訳 柊風舎) には、ルイスとマートン学寮図書館副司書のロジャ・ランスリー・グリーンとの交流についても触れています。グリーンは、トールキンやルイスの開く「インクリングス」の集会にも参加していました。

ルイスは、グリーンに言います
≪「この本がいいものかどうか、私にはわからない。問題なのは――書き続けるべきかどうかということなのだ。知っての通り、トールキンは気に入ってない。私が最初の二章を朗読したら、この物語には同意しかねると、非常にはっきり言ったよ。気に最初の数章を朗読してもいいかね?どう思うか、聴いて欲しいんだ」≫≪・・・そこで、ルイスは彼に後に「ライオンと魔女」*になるであろう物語の最初の三章を読んで聞かせた。グリーンは聞いているうちに、畏怖の念に襲われた――世界で初めて、最も偉大な児童書の一つに耳を傾けていることを、はっきりと感じたのである。・・・・≫

 ルイスは「書き続ける価値が本当にあるかね?」と聞き、グリーンは「もちろんです!」と答えます。そして、ルイスは ナルニアの物語シリーズの第一作の原稿を、グリーンに手渡すのです。
そして、こんなことがある前、第二次世界大戦の頃、疎開児童たちがルイスの家に滞在し、ルイスは一つの物語を書き始めるものの、すぐに投げ出します。それが、以下の書き出しです。
「この本は、アン、マーティン、ローズ、ピーターという名前の四人の子どもたちのお話です。でもほとんどは末っ子のピーターに関することです。子どもたちはみな、突然、ロンドンから疎開しなければならなくなりました。・・・・」

 物語の始まりには、ちゃんと始まりも用意されているのですね。
 ご存知のようにナルニア国の初めはこうですから。
「むかし、ピーター、スーザン、エドマンド、ルーシィという四人の子どもたちが、いました。この物語は、その四人きょうだいが、この前の戦争(第一次世界大戦)の時、空襲をさけてロンドンから疎開した時におこったことなのです。・・・・・」(続く)

*「ライオンと魔女」他「ナルニア国物語」(C.S.ルイス文 瀬田貞二訳 ポーリン・ベインズ絵 岩波)
☆写真は、英国オックスフォード市内。

PageTop