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オックスフォードの学者二人

オックスフォードallsouls colledge j
 この文と次の文は、ブログを書き始めた頃、お友達に本を紹介してもらい、書いていたのですが、先日訪問していたオックスフォード所縁の学者二人、トールキンとC.S.ルイスということで、UPしてみました。

 「トールキンとC.S.ルイス 友情物語 ファンタジー誕生の軌跡」 (コリン・ドゥーリエ著 成瀬俊一訳 柊風舎)
 興味深いタイトルです。「指輪物語」と「ナルニア国物語」。二つのファンタジーの作者が、どう関わり、離れて行ったのか。そして、結びついていたのか。

心に浮かんだ語句や名前から物語を生んでいったトールキン。
想像的な物語はつねに不意に浮かぶ絵から始まったと言うルイス。

 この二人を知るためには、キリスト教の話を抜きにすることができません。それで、宗教心のない、また、深く洞察したことのない者にとっては、読解できず、読み飛ばすような箇所も多かったのは事実です。それでは、二人の関係に迫れません。しかも、巻末のルイスの主要著作リストを見ると、おびただしい数の著作・論文が掲載されています。しかも、その多くが翻訳されています。C.S.ルイスは、「ナルニア国物語」*と、せいぜい「喜びのおとずれ」「子どもたちへの手紙」*など2,3の著作しか読んだことのない者にとっては、ルイスの築いた奥の深い世界に、驚くだけでした。
 反対に、ルイスの書くスピードに疑問を持っていたトールキンは、分野がルイスと異なるとはいえ、掲載されている主要著作の数が違います。「指輪物語」に長い年月、心血を注いだのが、よくわかります。

≪・・・トールキンは、彼がずさんだと考えるやり方でルイスが『ナルニア国物語』を生み出すスピードを不安に思っていた。トールキンは準創造という考え―― 一貫性を持つ想像上の二次的世界を作ること――に導かれ、ルイスよりはるかに長期間をかけて、『指輪物語』に骨折って取り組んでいた。ルイスはファンタジーについての考え方では自分と一致しているように思えるものの、一つの世界としてのナルニアは、中つ国の創造に自分が注いだ愛情に満ちた配慮を反映していなかった。しかも、トールキンは、彼の友人と同じように、大人の読者向けの妖精物語を作る必要性から四苦八苦していた。子ども向けの妖精物語を書くのは尤もなことだが、自分たちの戦いは、本当は大人向けの現代文学としての英雄ファンタジーとロマンスを確立することにあるとトールキンは感じていた・・≫(続く)

*「ナルニア国物語」(全7巻)(C.S.ルイス ポーリン・ベインズ絵 瀬田貞二訳 岩波)
*「喜びのおとずれ」(C.S.ルイス 早乙女忠・中村邦生訳・冨山房百科文庫)
*「子どもたちへの手紙」(C.S.ルイス 中村妙子訳 新教出版)
☆写真は、英国オックスフォード オールソウルズカレッジの日時計(だと思う)。

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