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みんなみすべくきたすべく

白い馬の描き方

地図j
(承前)
 ≪「・・・・丘をけずって描けば、馬の形は消えることはあるまい。今から後、いつの時代でも、偉大な馬を目にした者は、ここが偉大なるアトレバース族の地であることを胸に刻むことになる。」クラドックは開いた両手で、自分のひざをパンと打った。「仔馬の産まれる春がまためぐり地面に草がおいしげっても、偉大な馬は変わることなく、ここがわれわれの栄光のちであることを語り続けるだろう」≫と、ルブリンたちを追い詰めた敵将はいいます。

 それを聞いたルブリンは、≪最初は小さな形を描き、それをかざせば、遠くに描くべき線を見つけることができる?≫と思い至りますが、「あなたの馬を、あなたの丘いっぱいに広がる太陽の馬を作るつもりはない・・・・命令されて作った馬には、神は魂を吹き込んではくれない。おれが作る馬は光のともらないランプのように、なんの力も意味もない、ただのぬけがらでしかない。あなたは確かに馬を手に入れるが、しかしそれは手に入れる価値のないものだ」と言い切るのです。
 そして、ある交換条件のもと、敵将の「太陽の馬」であり、自分たち一族の「月の馬」を作ることになります。

≪一本の美しい線が、弓のように反った首から背中、そして尻尾へと、途切れることなく流れていく。ピンと立った耳から尻尾の先までは、大股で百四十歩以上。ところが胴体は非常に細く、もっとも広いところでも四歩を少し出るだけ。頭は鷹の頭のようだし、向う側の足は二本とも、胴体に接するところがない。しかしそんなことは問題ではなかった。ルブリンは今、馬の形そのものをなぞろうとしているのではないのだ。ひばりがさえずり、流れる雲が影を落とす丘の上に描こうとしているのは、馬が秘めているもの、力であり美しさであり、そしてエポナ御自身の姿だった。≫(続く)

*「ケルトの白馬」(ローズマリ・サトクリフ作 灰島かり訳 ほるぷ出版)
*「ケルトの白馬/ケルトのローマの息子」(ローズマリ・サトクリフ作 灰島かり訳 ちくま文庫)

☆下の写真にはSwindon行きの青い列車が写っています。多分、この列車に乗れば、白馬を見上げ見ることができるのだと思います。

                        列車と白馬j

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