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白い馬

     ホワイトホースカントリー馬jj
 ローズマリー・サトクリフは「ケルトの白馬」のはじめに、こんなことを書いています。
≪イギリスの緑なす丘陵地帯には、地肌の白い土を露出させて描いた巨大な白馬の地上絵がいつくもあります。その多くは期待されるほど古いものではなく、十八世紀か、もしくは十九世紀に描かれたものです。しかしバークシャー丘陵地帯のアフィントンにある白馬だけは、はるかに時を隔てた古代の遺跡にほかなりません。・・・(中略)・・・他の白馬が静止しており、優雅な姿をしていることはあっても命の輝きを持たないのに比べて、アフィントンの白馬は生きて動いています。その姿は、力強く美しく、奇跡のようです。これほど魅力的なものには、背景に何か物語があったに違いないと・・・・・≫
 
  今回の白馬訪問は、アフィントン村の丘に描かれた白馬の近くに行ったわけではありません。近すぎると、ただの白い線でしかなく、「白馬」ということがわからないといいます。離れてこそわかる白馬。しかも、固定観念に縛られた目だと、すぐに、それが馬だと思えないような流動的な姿。

 白馬を丘に書いたといっても、地面を掘り、そこに白い土(石灰)を入れ、風雨にたえるように作られたようです。そして、現代では、ナショナルトラストの管理下に入り、毎年新しい石灰(砕石)を表面に敷き、ハンマーで固め、周囲の雑草を抜き、壕の緑の芝草を切りそろえる作業をし、維持管理保護されているようです。(参考:「イギリスの丘絵を紹介する本」黒田千世子著 講談社出版サービスセンター)

  「ケルトの白馬」の主人公、ルブリンは、生まれて初めてみた馬の大移動の群れの中に一頭の白い馬を見ます。そして、のちにルブリンは、丘に「白馬」を書くことになります。  
≪馬の群れのなかから、一頭がするすると前に出た。たてがみと尾を風になびかせ、白い姿が黒雲の中に浮かびあがった。草の下の白亜の土より白く、さんざしの花よりもなお白い。・・・・突然、稲妻が黒雲を割って炎の舌を出し、地上をひとなめした。その一瞬、稲光に照らされた白馬は、馬の形をした白い炎となった。そしてこの白い炎が、族長の末息子の心の内側を焦がした。焼き印を当てて子馬に印をつけるように、この白い馬の姿はルブリンの心に永遠に焼きつけられた。≫(続く)

*「ケルトの白馬」(ローズマリ・サトクリフ作 灰島かり訳 ほるぷ出版)
*「ケルトの白馬/ケルトのローマの息子」(ローズマリ・サトクリフ作 灰島かり訳 ちくま文庫)
☆写真上は、英国White Hourse Countryの馬たち。下は、その近くにあった干し草。

干し草j

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