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みんなみすべくきたすべく

イアソンとメディア

jモロー階段
(承前)
  「オルセー美術館展」4室目のギュスターブ・モロー「イアソン」。有名な「サロメ」じゃないからでしょうか。そのときは、何故か、人垣もなく、ゆっくり鑑賞できました。大きな絵なのに、パリ オルセー美術館で見なかった様な気がするのは、その滞在の時、ギュスターブ・モロー美術館で、たくさんのモローを見たせいでしょうか。
 こうやって、モロー1枚だけ見るのも、なかなかいいものです。パリのギュスターブ・モロー美術館だと、明るい部屋なのに重い雰囲気もありましたから、素直に、女性(メディア)の足に絡まっている花がきれいなどと思わなかったかもしれません。

 イアソンは、美しい若者、背後の女性は、メディア。若いイアソンは、足元の竜(グリフォン?)の上に立ち、自ら「やった!」と刀の柄(刃は竜に刺さっている)を掲げていますが、実は、メディアの手にある薬(眠り薬)のおかげもあって、この戦果だと絵は物語っているわけです。
 そこには、メディアが余裕の表情で、「はいはい、よかったわね」と、イアソンの肩に手を置いています。イアソンを可憐な男の子のように描くことによって、メディアの隠された激しい気性を際立たせているような気がします。のちに、イアソンの新妻になる女性に毒を盛り焼死させるといったメディアですから。
 うっとりみつめるのではなく、しっかり、きっちり、きっぱり!おんなはつよーい!

 この話は、オウィディウス変身物語」 (中村善也訳 岩波文庫)にあり、この「イアソン」の絵の背後の柱に絡まる布にラテン語でその物語が描かれているらしいです。(続く)

☆写真は、パリ ギュスターブ・モロー美術館階段

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