FC2ブログ
 

みんなみすべくきたすべく

後ろ姿

夏の朝j
 (承前)
 確かに、今回の岡田美術館の目玉は「深川の雪」だったと思います。
 その「深川の雪」に圧倒され、魅了されつつも、北斎の「堀川夜討図」もよかった。「堀川夜討図」は、構図が洒落ているし、色も綺麗。義経・静御前・弁慶という人気の三人。もちろん、肉筆画なので、繊細な表現も美しい。

 北斎は、こんなものまで描く?というくらいいろんなものを描いています。そして、大胆なデフォルメや動きのある表現は、この人独特のもの。
 美人画にしても、他の絵師たちなら、輪郭線を流麗に描くであろうところを、北斎は、粗っぽい線で表現したり、意図的にはみ出して立体感を出したりしているところがあります。と、思ったら、人の腕や首や顔の輪郭は、一息に流れる線で表しています。全部、流れるような線で描いていないところが、単調になりやすい浮世絵の美人画にメリハリをつけているのだと思います。が、当時は、受け入れられたんだろうか?

 上部写真、図録の「夏の朝」、他の絵師の美人画であれば、同じような角度の立ち姿であっても、お顔がこちらを向いているのですが、北斎は、ひとひねり。鏡を通して、お顔をこちらに見せてくれています。
 繊細な細い指、うなじ・・・なのに、衿の後ろは大胆な描き方で角張っています。
 帯の前や、袖口、脚元のはだけた襦袢、そのどれもが、滑らかな線ではありません。粗っぽくギザギザギザ・・・
 加えて、水盤の金魚、鏡の蒔絵の蓋に置いた茶碗に朝顔の花等など、丁寧な表現で、夏の朝であることと、この女性がどんな女性で、今、どんな時かを描いています。(続く)

☆写真は、図録「岡田美術館 名品選」を開いたところ。

PageTop