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みんなみすべくきたすべく

種が芽を出し、根を生やし、

      バーンズリーハウス案山子j
 (承前)
 英国児童文学には、詩が挿入されているものがたくさんあって、子どもと詩の敷居を低くしているように思います。
「クマのプーさん」「くまのテディ・ロビンソン」にも、楽しい歌のような詩がたくさん、出ていますが、一人で読めるようになった小学校中級以上の子ども向けの「緑の精にまた会う日」にも、詩が何度か出てきて、その章の雰囲気を伝えています。

 そして、もちろん、この本より大きい子向けの本で、同じ種族「ホブ」の本、 「妖精ディックのたたかい」にも、詩は掲載されています。ただ、そのほとんどは、章の初めに引用の形を取り、古謡であったり、マザーグースであったり、シェイクスピアであったり。また、ウォルター・スコット(1771~1832)の「アイヴァンホー」にも、章の初めに必ず、古謡が載っていますから、英国では、年齢を問わず、新旧を問わず、詩や歌をもお話に含んで、楽しんできたのがわかります。

 小さい子どもには、歌えるような楽しいもの、中くらいの子どもには、お話に入りやすいもの、大きい子ども、そして大人には、詩の持つ深みを伝え、お話にも深みと幅を持たせようとしているのではないかと。
 
「緑の精にまた会う日」(野の水生訳)
≪静かな夕べ、
人はみな、家路についた。
きょうも一日、よく働いた。
ベンチで休んで、もうひと働きだ。
じょうろに水をくんでおこう。
道具をみがいて、草もむしろう。
ブンと飛んでくカブトムシ。
這って、スルスル、カタツムリ。
キーキー声はハリネズミ。
人目ぬすんで、こっそり、キツネ。
種が芽を出し、根を生やし、
茎は空へと高くのび、
つぼみがふくらみ、実が熟れる。・・(略)・・・・・≫

*「クマのプーさん」(A.A.ミルン 石井桃子訳 E.H.シェパード絵 岩波)
*「くまのテディ・ロビンソン」「テディロビンソン まほうをつかう」(ジョーン・G・ロビンソン作・絵/坪井郁美訳 福音館)
*「テディ・ロビンソンのたんじょう日」「ゆうかんなテディ・ロビンソン」「テディ・ロビンソンとサンタクロース」(ジョーン・G・ロビンソン作・絵 小宮由訳 岩波)
*「緑の精にまた会う日」(リンダ・ニューベリー作 野の水生訳 平澤朋子絵 徳間書房)
*「妖精ディックのたたかい」(キャサリン・ブリッグズ文 コーデリア・ジョーンズ画 山内玲子訳 岩波)
*「アイヴァンホー」(ウォルター・スコット 菊池武一訳 岩波文庫)

☆写真は、英国コッツウォルズ バーンズリーハウス

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