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みんなみすべくきたすべく

隊を組んで歩く妖精達

      チャリングワースマナー庭からj
 (承前)
 「妖精にさらわれた男の子 アイルランドの昔話」 (W.B.イェイツ作 ニール・フィリップ編 山内玲子訳 岩波)は、挿絵の入った児童向きの本として出版されています。その訳者あとがきに≪イェイツ編の昔話の邦訳としては、60年以上前に出た山宮允訳『アイルランド童話集 隊を組んで歩く妖精達』がいま読んでも心が躍るような名訳です。・・・≫とありました。

 その「隊を組んで歩く妖精達」は、2013年の冬に復刊されました。先の挿絵入りの「妖精にさらわれた男の子」と内容が何篇か重なりますが、一枚しか挿絵がなく、旧仮名使いで、子どもに行きわたらないのが、残念な一冊です。が、しかし、子どもたちに声に出して読んでやると、きっと≪心が躍るような名訳≫が伝わると思います。

 また、特筆すべき二篇のウィリアム・アリンガムの詩は、この「隊を組んで歩く妖精達」に出ています。
≪「妖精」
空に聳(そび)ゆるお山の上や、
藺草(ゐぐさ)すいすい生えてる谷へ、
狩りに行くまい小人が恐い。
みんなそろうて隊組んで、
青いジャケツに眞赤な帽子、
白い梟(ふくろ)の毛ごろも着けた、
ほんにちひちやい小人が恐い。・・・・≫(山宮允訳)

ここには、青い上着と赤い帽子に白い毛衣ですが、
次には、黄色い、黒い、その後、白い・・・と色が続き、草や花も、次々出てきて、目に見えるようです。
そして、短いストーリーもあって、しかも、耳に楽しい。

もうひとつの詩「レプラコーン、一名妖精の靴屋さん」は、擬音がたくさん出てきて、愉快です。
≪・・・・
「ティップタップ、リップラップ、ティック、タック、トゥー、
眞赤な革をば縫ひあはしや、
靴が片足(かたかた)出来まする。
左か右かへしつかりおはき、
夏の日盛りや、暑つござる、
冬は地ごもり、冬ごもり、
暴風(あらし)、木枯し何のその。」・・・・・≫(山宮允訳)
(続く)

*「アイルランド童話集 隊を組んで歩く妖精達 其他」(イエイツ編 山宮允訳 岩波文庫)
☆写真は、英国 コッツウォルズ チャリングワースマナーの庭。

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