みんなみすべくきたすべく

湖の水ひたひた岸打つ低き音

       ダーウェント湖j
(承前)
 先のマイケル・ヘスが、感銘を受けた「イニスフリーの湖島」は、岩波文庫の山宮允訳で、カ・リ・リ・ロも、楽しみました。
 
 昨日に続く第二連では、微光(うすあかり)とか赤光とか紅雀とか色のイメージで迫り、
最後の第三連は、
≪いざ立ち行かむ、夜も日も別かずをやみなく
我は聞く湖の水ひたひたと岸打つ低き音、
道の央(まなか)に立つ時も、また灰色の舗石(しきいし)の上に立つ時も
我は聞くそをば心の奥ふかく。≫(山宮允訳)

嗚呼!
≪ひたひた岸打つ低き音・・・我は聞くそをば心奥ふかく。≫ だって!
この「そ」!前に書いた「さぎりきゆーる」の「さ」もいいし、この「そ」も!
日本語っていいなぁと、思う瞬間です。

ちなみに、同じく岩波文庫 高松雄一編のは、
≪心の深い奥底に聞こえてくるのだ、
ひたひたと岸によせる湖のあの波音が。≫

平凡社ライブラリー 松浦暢訳は、
≪胸のおく深く響いている いまも あの湖の音が。≫

角川文庫 尾島正太郎訳は、
≪胸のおくがに沙々と鳴る、その声を聴く。≫

どのイニスフリーがお好き?(「ラズモア」に続く)

*「イエイツ詩抄」(山宮允訳 岩波文庫)
*「対訳 イェイツ詩集」(高松雄一編 岩波文庫)
*「英詩の歓び」(松浦暢 編訳 平凡社ライブラリー)
*「薔薇」(尾島庄太郎訳 角川文庫)

☆写真は、アイルランド イニスフリーの湖島ではなく(行ってみたいなぁ)、英国湖水地方ダーウェント湖。「りすのナトキンのおはなし」の舞台となった島が、中央の小島です。(撮影:&Co.I)
*「りすのナトキンのおはなし」(ベアトリクス・ポター作 石井桃子訳 福音館)



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