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みんなみすべくきたすべく

もう一冊の本

         セブンシスターズj
(承前)
 過日、殆ど同時に読み終えた二冊の一冊は、「アンのゆりかご」(村岡恵理 新潮文庫)でしたが、もう一冊は、「海賊とよばれた男」(講談社)でした。
 2013年本屋さん大賞を受賞して図書館に予約して待つこと、およそ1年。するうち、作家の政治信条が判明し、なんだか、読む気がしなくなっていましたが、ま、せっかくだから、届いた上巻を開いてみました。上巻の目次の後には、下巻の目次も書かれてあって、その小題「セブン・シスターズ」とありました。え?英国の?ドーバーに面した白亜の?ファージョンの話に出てくる あれ?こりゃ、やっぱり、下巻まで読まなくちゃ・・・と、誤解も甚だしく、読み始めました。

 著者は、関西で長い間人気を保つ深夜番組の放送作家だっただけあって、話運びがうまく、上巻は一気に読んでしまいました。
 そして、下巻です。「セブン・シスターズ」というのは、英国に全く関係なく、7つの巨大石油資本(七人の魔女)ということらしく、英国児童文学ファンの夢は打ち砕かれ、仕方なく、個人的には、殆ど興味のない経済や政治や国との掛け引きが話の中心となる下巻も読みました。(正確に言うと、下巻は斜め読みです)この小説のジャンルを歴史経済小説というらしいのですが、どうも、私の嗜好とは、ちょっと違うかな。しかも、作家の背景を知った以上、どうもフィルターがかかってしまう。

 そんななか、主人公国岡鐡造が、古美術に惹かれるところは、印象に残りました。昨日書いた仙厓の『指月布袋画賛』から始まり、最晩年、手に入れたのが同じ仙厓の『双鶴画賛』。この絵のエピソードは、出て行った先妻との苦い思い出と共に、書かれていました。が、実際のところは、どうだったんだろう?

≪絵には二羽の鶴が書かれていた。一羽の鶴は下を向き、もう一羽は上を向いている。賛には「鶴ハ千年、亀ハ万年 我れハ天年」と書かれてあった。「天年」というのは天命の意味であろう。≫
 小説では、国岡鐵造、臨終の床の間に掛っているのがこの『双鶴画賛』。

☆写真は、私の好きな 英国 セブン・シスターズ。白いベールを被った7人の尼僧(シスター)に見立てたネーミング(撮影:&Co.Ak)

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